∴ 私立探偵・麻生龍太郎

聖なる黒夜を読み直して、練ちゃんばっちこーい！でも
なかなか読みには決心がいかなかったのだけど
ほら、長州ナイトには外れたからさｗ
ここは練ちゃんで勢い萌えたおしちゃろうやないかと。

表紙からね、高架下で二人のシルエットなんすよ～　デレデレ
もうコレだけで、妄想の泉へと旅立っていける。

400ページほどで、行間も詰まってないのでサクサクと
3時間ほどで読めまする。

5編の短編からできてまして、麻生が私立探偵として
ちょいと不思議な事件や縁を絡めつつ、バックグラウンドで
練との関係が流れているといったもんですね。
練の流れは1編目の「OUR HOUSE」で、聖黒で一応警察に引っ張られた
練が拘置、保釈、最拘置などの後に釈放されて麻生の
事務所兼自宅にしている部屋にやってくる所からです。
小説の内容自体は、麻生が受けた依頼に関して進むので
練とて頻繁にもメインにも出てはこないのだけども
根底に流れているのは練ですね。
タイトルが私立探偵・麻生龍太郎だから当然でありますな。

にしてもだ、時間的経過はあまり経ってはいないとはいえ
麻生はまだ、ウダウダと練を春日やその世界から足を洗え
決別しろ、まっさらに無一文からでもいいからとタレ流し。
いやね、分かるんだよ麻生の気持ちも言い分もね。
でも、田村でさえ気付いていることが分かってないはずないのに
なぜ、まだ「自分は警察側の人間だ」と構えてしまうのか、麻生たん。
そんなこたぁ、百も承知の練であるし構わないと思ってる。
田村が言うように、突き詰めれば簡単な事をややこしくしてるよね？
｢ヤクザになんかなるな」と二言目には零す麻生だけど
そんな分類は練には関係のないことじゃないのかな。
過去を清算しろ、やり直せ、引き返せと説く麻生の言葉は
愛情でもあるけど、そんな事をすべてひっくるめて出来上がったのが
山内練であり、練と離れる事が身を削られるように麻生が感じるのなら
丸ごと受け入れてあげればいいじゃないかと････
一旦、練の元に堕ちる覚悟を決めたとしても受け入れがたいのが
それが麻生龍太郎なんだけどな、愛すべきウダっ子オヤジ！（笑）
そこを一旦受け入れてひっくるめてしまった後に、剥がす部分は
剥がしていけばいいのじゃなかねと。
練は複雑に見えるけど、分からない複雑な人ではないと麻生も
分かってるんでしょーにねぇ。
田村ほどのアッケラカンさが足りない、麻生龍太郎くーん。
ガッチガチやで！　カチカチなんだよ！麻生！
もっと書きたいことはあるけど、ネタバレすぎるんで割愛。

及川は回想シーンでチラっとしか出てこなかった。
文章にして数行だもんよｗ
高安もロン毛を結わえたピアス弁護士という描写から
この人でも話を膨らませていくと勝手に楽しい自分。

こうやって練と麻生のことしか書いてないけど、小説としては
私立探偵業な麻生なので、練を期待しすぎて読むと「少ない！」と
思ってしまうかもしれないけど、Epilogue を読むと

｢オメェー達、観念しろや！」