∴ 宮沢賢治物語 ～雨ニモマケズ～

遙か十年祭りの京都キャストでましたね。
うーん、うん、うん･････

おお振りが2期決定。
これはメデタイ！
 

宮沢賢治物語 ～雨ニモマケズ～

キャスト

宮沢賢治・ナレーション：石田彰
宮沢トシ・佐藤タエ：桑島法子
宮沢政次郎：津田健次郎
佐藤五郎：鳥海浩輔
宮沢清六：岸尾だいすけ
高岡信一：神奈延年

こりゃまいった！
一本も二本も三本も取られちゃった。
ドラマと朗読って、どーやるんだろう？でしたが
朗読部分がぶつっと分かれているわけではなく
宮沢賢治の人生を語る中でドラマの流れとして
上手く朗読部分が挿入されているとう脚本の素晴らしさ。
８編の抜粋してある朗読が入ってます。

朗読だけで語られているのと、ドラマの一環としてでは
随分と聞くほうも受け止め方が私にはとても違いました。
たとえ石田さんの朗読であっても、少々お腹いっぱいだなと
感じていた所にこのCDでどっかーん！
ほんとに素晴らしかった。
一番の山場である、トシが亡くなる前後のシーンでの
｢永訣の朝」内容もさることながら、石田彰の底力は
耳から声が入るのに体全部に塗り込められるような
簡単な言葉でいえば慟哭なんでしょうが、もっと違う･･･
ぞわぞわガタガタするように全身にきます。

収録レポートにもあった「あめゆじゅとてちてけんじゃ」
この下を噛みそうな早口言葉のような言葉の繰り返しは
一つ一つが違う「あめゆじゅとてちてけんじゃ」に
気持ちの高ぶりで、両手を祈る形になってしまいました。
賢治が最期を迎えるシーンは、石田さんにこの手の演技を
させると、もらい泣き以上に胸が苦しくて困る。
誰かの臨終を看取ったことがある人には迫真すぎて
辛くなるんじゃないかと思うほどです。

収録後の感想に「たっぷりやらせていただいたという
カンジです」という石田さんの言葉通り
たっぷり石田彰さんを聞かせて頂きました。

宮沢賢治については、この世で生き難かったでしょうね。
純粋であるというのは、時としてある一定の人達には
不快感や憎悪を引き寄せるものなのでしょう。
裕福だというのに妬みを持つように、純粋さにも妬みを
持ってしまうのも分からなくもないです。
誰しも自分の負の部分を際立たされたら、目を逸らしたくなるし
手垢をつけたくなるんでしょうかね。